消化器は部位によって症状は多様なため、看護師には疾患特有の知識が求められます

消化器は食物の摂取を通じ、栄養を吸収し、不要物を体外に排出する役割を持つ臓器です。消化器に疾患を持つ患者の多くは、人間の基本的欲求である食欲を満たすことが難しいため、肉体面だけでなく精神面でもストレスを抱えています。

睡眠を妨げない点滴ルートの配慮

夜勤を行う看護師はこうした消化器疾患の患者の特徴を踏まえたうえで、患者が睡眠を得られるようにする必要があります。疾患部位によって症状は多様であることから疾患特有の知識を持って観察し、対応します(腹部の聴診・触診、腹部膨満感、痛みの種類と程度、食事の摂取状況、悪心・嘔吐、吐血や下血、排泄状況、術後の逆流性食道炎やダンピング症候群、イレウス)。

点滴管理
絶食を行う患者の多くは24時間の点滴管理が行われています。そのため、睡眠中でも患者は点滴が実施されていることから、点滴が気になったり、頻尿になって睡眠が阻害されてしまう場合があることを意識し、管理を行います。

指示通りに滴下しているかの観察はもちろんのこと、点滴が気になる患者には、入眠中でも看護師が点滴を見ているから安心して眠るように声をかけたり、また、頻尿に対しては医師と相談し、可能であれば滴下を遅くして入眠きるように努めていきます。

チューブ、ルート管理
点滴ルート、経鼻胃管、イレウス管、腹腔内ドレーンなどのドレナージチューブによって睡眠が妨げられないように固定し、体位を考えます。また、ドレーン類の詰まりや、屈曲や抜去してはいない科など患者の睡眠を妨げないようにし、観察を行います。

精神面へのケア
経口摂取ができない患者、術前・術後の患者、そのほか多くの患者は食べられないことの不満や、目前の手術への不安、疾患そのものへの不安などを抱えて夜を迎えます。そして、多くは眠れない夜を過ごすか、不眠を訴えます。

夜勤を行う看護師はできる限りベッドサイドへ行って患者の訴えを聴き、必要に応じて睡眠薬を与薬します。また、その状況を日中の看護師に申し送り、対応を継続していきます。