患者が安全・安楽に休息を取ることができる状態を整えることが大切

心電図による不整脈のチェック等を行います

不眠の原因の除去・緩和
患者の多くが睡眠をとる夜勤の時間帯には、まず安全・安楽に休息を取ることができる状態を整えることが大切です。そのためには、夜間巡視の際に患者の所在を確認しながら、眠れていない患者さんがいれば、体調の変化、不安などの原因があるのかどうかを静かに問いかけます。

そして、看護師はその原因を把握した上で、それを取り除くかあるいは緩和する方向で患者の状態を整えていきます。

精神安定剤投薬時の注意点
医師の指示で看護師が精神安定剤の与薬を行うこともありますが、初めての患者の場合覚醒指示に足元がふらついて転倒したりするケースがあります。事故を予防するためには、与薬時に患者に対して十分な説明を行い、最初の歩行時には看護師を呼ぶように協力を求めましょう。

バイタルサインのチェック、モニタ管理
患者の状態によっては夜半中、時間ごとにバイタルサイン、SaO2、尿量、CVP測定、12誘導心電図やモニタ観察による不整脈のチェック、意識レベル・自覚症状の確認などの観察が必要となります。

機器に関する知識
定時的観察を必要とする患者は多くの場合、人工呼吸による呼吸管理、輸液・輸注ポンプの使用、Swan-Ganz(スワン-ガンツ)カテーテルを挿入してのの圧モニタで、常時状態を把握し、治療を行っています。このため、ラインの管理、ME機器の熟知が必要となってきます。

身体面の看護だけでなく、治療上必要な機器に囲まれて過ごす不快感や体動の制限を強いられることでの苦痛や不眠などの精神面と身体的な二次障害に対するケアも必要となってきます。

時には過度のストレスでルート類を自分で抜去してしまい、生命を脅かす状態になりかねません。新人看護師は全てのME機器を理解しているわけではないので、正しく作動しているか、アラームがなっていないかなどの把握が必要であり、以上時には直ぐにリーダーへ知らせることが大切です。

日常生活援助
入院患者のほとんどが高齢者であり、日常生活援助が必要なことも多く、入院により不適応障害を引き起こし、痴呆症状が出現する患者も少なくありません。例えば、自宅での布団生活に慣れきっている患者の場合、夜中にトイレに行く際に誤ってベッドから転落して骨折するケースがあります。

就眠前の安全対策としてベッド棚を上げておくこと、患者の生活や排泄時間などは情報として把握しておくことが大切です。排泄時間を把握できていない患者には、頻回に訪室するだけでなく、スリッパの位置や方向を一定にそろえておくと、それが変わっていれば1人で歩行したことが分かるので、排泄パターンを把握するうえでのヒントになります。

環境整備・事故防止
夜勤の朝方はナースコールが多く、重傷者をかかえながら、その場を離れて応急の仕事をするという忙しさになります。全面的な日常生活援助を必要とする患者や、常に注意が必要な痴呆患者を同時に看護するのはとても大変ですが、常に安全・安楽に急速が取れる環境を整え、事故の起こらないように心掛けるようにします。