看護師の人数が少ない夜勤帯は他のチームの申し送りも聞くことが大切

現在、首都圏にある私立医科大学病院の脳神経外科に勤務しています。夜勤で1人立ちし始めたのは、日勤業務の流れがわかりはじめ、プリセプターにフォローについてもらう夜勤を2回経験した後からでした。

意識レベルの低下した高齢者に注意

日勤時の倍の患者さんを受け持つため、点滴をつないだり、検温をしたりと慌しく駆け回っていたことをよく覚えています。また、普段より多くの患者さんの状態を把握しなければならないという責任感も強く感じていました。

夜勤で1人立ちをすることになって2回目のとき、いつものように日勤から夜勤への申し送りがありました。私は、受持ちチームの患者さんのことで頭が一杯で、他のチームの申し送りを上の空で聞いていました。

そのとき、私の様子を見ていた先輩ナースから、「夜勤は人数が少ないのだから、自分のチームのことでなくても申し送りを聞きなさい。他のスタッフがいないときは、違うチームの患者さんも看なくちゃいけないのよ」と注意を受けました。

自分のチームだけ看ていればいい、と単に日勤の延長のように感じていた自分はハッとしました。夜勤では、少ないスタッフでも全ての患者さんを速やかに、安全に対応していくのが重要であることを痛感しました。その後の夜勤からは、日勤とは違う緊張感を持って働くようになりました。

このように、夜勤は、新人ナースにとっては、日勤よりも不安感の強い勤務だと思います。私も最初のころは、受持ちの患者さんのことでも対処に迷うことがあり、さらに他のチームの患者さんの状態がよくわからないということが多々ありました。また、自分で思うように動けないことが先輩ナースに迷惑をかけているのではないかなど、いろいろなことで不安になりました。

しかし、自分が経験を重ねて新人をフォローする立場になってみると、それらの心配事よりも、新人ナースには報告・連絡・相談を日勤以上にしっかりしてほしいと考えるようになりました。

不慣れな業務のなか、新人ナースが多くの患者さんに対応していくためには、1人で悩まず、「わからないこと」「少しでもおかしいと思ったこと」「助けてほしいこと」などをキチンと先輩ナースに伝えることが必要だと思います。夜勤では、少ないメンバーだからこそ、自分1人でどうにかしようとするのではなく、メンバー全員で協力し、コミュニケーションを取ることが大切です。

私の勤務している脳神経外科病棟では、麻痺の影響で日常動作が困難な患者さん、意識レベルが低下して治療や安静に対して協力が得られない患者さん、不穏になったり、徘徊してしまう患者さんなどがいます。そのため、夜間事故を起こさずに過ごすためにはどう対応すべきか悩まされることも少なくありません。

新人ナースにとっては、その負担はさらに大きいはずです。新人ナースと一緒に夜勤をした際に、高齢者の患者さんが一人でトイレに行こうとして転倒して怪我をしてしまうことがありました。新人はショックを受けていましたが、そのことを振り返り、援助の方法について色々考えていた様子がうかがえました。

そして、次の夜勤からは事故が起きないように患者さんの様子をまめに見に行き、排尿誘導するなどの工夫をしていたようです。夜間業務に慣れるまで大変かもしれませんが、先輩ナースと力を合わせて頑張ってほしいですね。