低出生体重児は異常を訴えられないため、気がついたときには重篤な症状も

病棟の主な入院患者は肺炎、胃腸炎などの感染症、喘息、院内あるいは地域で出生した低出生体重児や医療の必要な新生児で、そのほとんどは緊急です。夜勤時もそれは同様で、最も緊張するのは低出生体重児の入院です。

突発的な事態への備えを怠らない

低出生体重児の看護
身体の異常を泣いて訴えることができる成熟児と異なり、低出生体重児は異常を訴えることができないため、気がついたときには重篤な症状に陥っていることもあります。入院中は頭の先から足の先まで順々に観察して総合的に判断していくことが大切です。看護師が判断できることと医師に報告して指示を求めることがあります。

観察のポイントは、バイタルサイン、無呼吸、呼吸停止、陥没呼吸、四肢冷感、チアノーゼ、振戦、痙攣、全身色などです。看護の手順は以下の通りです。

1.入院時の処置:まず患児の氏名を確認し、低出生体重児への処置なので準備と手際のよい処置が必要です。次に体重測定などの身体の計測を行います。

2.保育器への収容:器内の温度・湿度調節、処置窓の閉め忘れへの注意が必要です。

3.呼吸管理:特に無呼吸や呼吸窮迫症状に注意し、モニタの装着・設定をします。

4.体温管理:患児の体温に応じて器内の温度・湿度を調節します。

5.栄養管理:血糖のチェック、胃チューブの吸引、3時間ごとの授乳などです。

6.輸液管理:輸液量が少ないので点滴ルートの漏れ・詰まりに注意します。どのルートから何が入るのか確認することも大切です。

7.排泄管理:尿・便の排泄だけでなく、腹満、柔らかさ・硬さなどの腹部の観察を行います。

8.感染予防:入室時の手洗い、物品の個別使用、滅菌物の使用。

9.両親への対応:患児への早期の面会と接触を働きかけます。

入院がいつあっても困らないように、普段から人工呼吸器、保育器の消毒、必要物品の補充を行っておくことは当然必要です。さらに人工呼吸器の理解、蘇生術、モニタの機能を熟知しておくこと、検査データの理解などが求められます。先輩ナースに指導してもらい一つ一つを確実に身につけるようにし、突発的な事態にも対応できるように平常からの準備と訓練が大切です。

肺炎。喘息、胃腸炎などを起こした小児の入院
小児は成人と異なり、その身体状況を正確に伝えることはできません。看護師は以下の項目について十分い観察し、それらの症状に隠されている状態を考えなければなりません。

観察のポイント:機嫌、活気、努力呼吸や喘鳴などの呼吸困難、痙攣、意識障害、チアノーゼ、ショック、発熱、嘔吐、下痢、脱水症状、発疹、浮腫、黄疸の有無など。よく観察した後、医師の指示の確認、安全の確保、輸液の管理、排泄、水分のイン・アウト、清潔管理、家族への対応も大切です。